今週の読了

あぁ、古いISBNはISBNと呼べないからムニャムニャ、なのか。

七王国は一冊目も最後まで完読していなかったことが判明。まぁ、ものすごく面白いが、この長さはなぁ…。おれは他にこういうのを読んでないから楽しいけど、他の大河小説で萌えエネルギーを使ってる人におすすめできるかというとどうか。つか、「いいから**読みなって! 」とか逆におすすめされるのが怖い。そのおすすめに答えられる余力はない。

話としては、まだ本格的な冬が訪れてないからかもしれないけど、経済や農業なんかのシステムが全然描かれていないのが眉唾で、それで通すつもりなのかという感じ。まぁSFでありファンタジーですから…といういいわけはいつでもできるけど。

さよなら妖精』は、…うーん、まぁ、もうちょっと若いときに読めばね、という感じだった。そこで盛り上げるんならミステリいらんやん、と思うし、じっさいそれが書き手のねらいなのだろうけど、あまりにミステリ的な部分が浮いてる…というか、喫茶店で待ち合わせて日記がわりの大学ノートを見せて過去を検証する、という冒頭からどうも違和感があって、えーとこれはなんかの叙述トリックですか? と疑って読み始めるのであった。

『ミステリーズ』。たぶん多くの人が書いているであろう決まり文句を書きます。「オレはわりと好きだけど一般的にはどうかなー、これ、ほんとにこのミス一位だったの?」。以前の「このミス」には文春とかに対するオルタナティブ意識が強かったということなのかもだけど、とりあえず、今年面白かったミステリは何だろうつってこれ読んだら、なんじゃこりゃ、だよなぁ。「不在のお茶会」はわりと面白かった。

しかし、好きか嫌いか、と言われたら、好きと言いたい。ミステリのお約束をずらしたり茶化したりせず、まじめに草むらに分け入って道を作っている感じ。「キッド・ピストルズ」シリーズにも似て、このテーマではこの人、この一本しか書けない、という無駄遣い感がある。そういう意味で<贅沢な>短編集だと思った。

他のシリーズでゆるーい感じの球を投げていたらと思うと、イメージ壊れるのが怖くて、あまり読んでないのだけど、思い出してみると『生ける屍』『キッド・ピストルズ』『奇偶』『ミステリーズ』と、ここまですべてガチの変化球だったので、作家を信用してもっと読むことにします。