『つっこみ力』

つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力 (ちくま新書 645)

冗談交じりで書かれてるのは「あんたたちも面白いことを書け」というメッセージだと理解した。

こういった本に「冗談があまり面白くない」と食ってかかるのは、図を使った印象操作の度合いの強いブログにマジレスするのに似ている。そういう手法で書いている人は、手法を提示しているだけで、実は内容はどうでもいいんだと思う。

この本の中に、対話のための作中人物が出てくるが、そういう人が出てくる箇所には、創作であるという但し書きや芝居であるという処理が施されている。この点に小さく感動した。みんなvmメソッドをもっと使うといいと思う。「結局全部お前のシャドーボクシングなんだろ?」と言われて「そうですけど」と開き直る勇気が必要だ。

面白くする、という方向性を進もうとすると、マジレスしたらメタにずらされた、という話にされがちなのが問題か。自分でも整理できないが、面白くする、ということとネタ化メタ化する、ということは別の話だと思う。「たねあかしすると、僕は思考実験してるだけなんですよ! 本当のことを書くわけがないじゃないですか!」という言い分には腹が立つ自分がいる。

ちょっと見て回る

うーん、社会学/経済学の領域に対して突っ込んでると「必死だな」って言われるから新書に土俵を移して、方法論の提示という形にパッケージしたってことかな。

でも、こういう書き方したら書かれてる内容なんて誰も信じないし頭にのこらないんだから、別にいちご大福の例示に私怨が込められててもなんでもいいじゃない、と思うのだけど。