読了:イニシエーション・ラブ
わはは。この爽快感のなさはすごい…いい意味でですけども。こういう、どこにも行き着かないトリックのためのトリックを読むと、あぁ日本人でよかったなぁ(「空耳アワー」を見てニヤニヤできるのと同じ意味で)って思います。
まぁ間違っても、びっくり仰天とかじゃない。確かに、マニアが釣れるようなレッドヘリング*1があからさまに冒頭に仕掛けてあるから、そっち見てしまうけど…真相がわかったからって、へぇ…という…。
緻密に組み立てられた***トリック(二文字ではなく三文字)を検証するために、確かに再読してみたくなるけど、「で、そんなもん確かめてどーすんの? 今度な今度」という気分になる。
ネタの緻密さよりも「立ってるものは親でも使う」本格の不愉快な感じのほうが勝ってるので、まじめな人にはおすすめできない…二段オチで嫌な気分になると思う。
追記
感想を見て回ってたらけっこう面白いことが…そうだよな、頭おかしいよな…。もう一回流して読む。
- 作者: 乾 くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04/10
- メディア: 文庫
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追記2
「便秘してた」がひどかったので、もっと酷い書き方があるかと眺めていたが、それ以上のものは見つけられなかった。
追記3
あぁそっか。これは作中に出てくるあの本へのオマージュでもあるわけですよね。