読んだ本 (九尾の猫)

右ページの余白のわざとらしさが好きだ


見開き右の「…なのですよ」的な、エラリィのちゃぶ台を返す台詞で章が終わって、そのページには白々と余白、そして見開き左のページ、次の章からおもむろに説明が始まる…あぁこの様式美、トレビアン。もうほとんどそれだけ。あぁしかし、話がシンプルなので、国名シリーズみたいにダルくて読む気が失せるということはない。
「そ、そんな捜査の穴を読者に隠しておくなんて…」と誰でも思えるし、謎解きはどうでもよい。精神分析というテーマが当時は斬新だったのだろうなと思った。(6)

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)