日記

夕方読書。

夜中「スマイル」のDVD。人と一緒に鼻水流しながら観たいなーこれは。

最近、書いたもので、編集し損なって、ひらがな部分が重複して「いるいる」のようなままで流してしまうことが増えたような気がする。ひらがなを目で追わなくなった=速読向きの目になったのか? (単なる老化でしょう)

再生

「うち捨てられたSMiLEを再生するプロジェクトがブライアンの癒しになった」というストーリーを軸に編集されているので、ちょっと鼻につく部分もなくはない……けど、泣くわ、これは。「よかった、本当によかった」とグスグスやりながら見終わった。ヴァン・ダイク・パークスとの関係が特に……。

今まで、若いときのブライアンと、今の60代のブライアンが同じ人物に見えなかったのだが、消防士の帽子をかぶって「イカレてる」と評される、往時の無邪気な顔は、当時を振り返って語る60代のそれと同じに見えたし、SMiLEのリハーサルを始めたときの死んだ目のブライアンは、SMiLEを作れなくなった67年のブライアンと同じだった。

おまけの「観客の声」は、37年分の思い入れが詰まっていて、そればかり見せられると、正直、「せーの、ブライアン最高!」みたいな映画のCMと変わらない気がしてきて鼻白む。緊張するブライアンに、ダリアン・サハナジャは「SMiLEを作ると考えるのではなく、最後まで曲を流れるようにつなぐことを考えるんだ」と言ったようだが、冷静になってしまえばそんなところだろう。37年前の素材を、テクノロジーと優秀なスタッフで、よってたかってでっちあげてしまった、ゾンビでもある。

37年前の天才的な失敗作を、今になって人前で演奏しろといわれる、複雑な心情は想像しかねるものがあるが、リハーサル中キーボードに向かうブライアンの顔を見ていて、このDVDで語られるわかりやすい「癒し」「トラウマ」というストーリーとは別のところで、この人はどこまでも一人なんだろうな、とも思った。

本作のタイトルの「Brian Wilson PRESENTS SMiLE」というタイトルから想像をたくましくすれば、本人にとってのこのプロジェクトは、みんなとやり遂げたのでも、作り上げたのでもなく、ただ、その時、そこにいた人たちを使って届けたというだけなのかもしれない。

2年くらい前にアホのように聴いていたが、さすがに今では聴くことは少ない。作ったひとたちは、SMiLEを「終わらせた」のだと思うし、聴く側にもそういうことはあるだろう。

スマイル DVD

スマイル DVD