書店はポップを開放するといいと思う

アマゾン一人勝ちの次は電子ブックが浸透しそうなこの先、書店がつぶれずやっていくには、サロンみたいなものになるしかないと思うのだけど、その中身は、しょーもないものでも構わないと思うのだ。

以前この日記にも書いた気がするけど、ベスト電器のゲームコーナーのポップで「ワンダと巨像」を「私の心のゲームです……」と書いてあったのを見かけたことがあって、その思いの購われなさに、心密かに涙したことがある。確かに私にとってもワンダは素晴らしいゲームだが、君はいったい誰で、どうして不特定多数に向かってそんなことを書くんだ。これを読んだ私はどうすればいいんだ。

そういうポップを、思い入れこめて書くのは、ブログやAmazonのカスタマレビューを書くよりは、直接的なコミュニケーションという気はする。自分の書いた惹句で、実際に商品を手にとってもらうかも知れないわけだから。(私の日記もそんな感じか……)

そんなわけで、とりあえず書店は、物好きのためにポップを開放するといいんじゃないか、なんてことを思ったのだった。

読者棚とかが作れるほどの目利きは少なくても、お奨めならできるだろうし、そういうものの募集や選考過程でコミュニティができていくこともあるんじゃないかと思う。

それが知的な場になるかどうか、という問題じゃなくて、本を読むという人の中にも、考えたことを書いてみたり、人の感じたことを文字として読む、という習慣が、あまり定着していないのではないだろうか。

単なるおすすめなんて、本人にとっても、意味がないことかも知れない。でも、どこかで拾ってきた言葉で簡単に「神ゲー」とか言ったりするよりは、ずっとましじゃないのだろうか。

そのごの「ワンダ」の彼女(彼?)が、その思いを「ゲーム系ブログ」「二次創作」といった形以外で昇華できたことを、願ってやまない。