メッセージ そして愛が残る

人の余命が見える男に出会った男の話。非現実設定は「余命が見える」ところに最小限に抑えて、あとは芝居で見せる。

主演はロマン・デュリスジョン・マルコヴィッチ終末医療の医師を演じる。彼が現場で関わっている、難病に冒された少年が、絶望しながら生と死の意味を見つける、というサイドストーリーが、物語に深みと説得力を与えている…っちゃぁ、そうなのだが、しかしそれを「手紙の朗読」というベタな手法に頼るのはどうなのか(いや、観ていて涙腺が緩みはするのだが)。せっかく「余命が見える」という設定があるのだから、言いたいことは読み上げたりせず、映画の中の物語として転がして言うべきではないのか。

ジョン・マルコヴィッチの「一見何を考えているかわからないが、優しさが変成した何かを静かに持っている顔」の芝居は絶妙だと思った。

全体的に、なんか日本の映画みたいだな……、と思いながら観ていた。主演が竹野内豊顔だったというのもあるけど。

61点。