日記

afternoon

以前、2ちゃんねるの怖い話を読むのが好きで、幼児退行みたいなもの(他のどのジャンルより予備知識が不要だから読んでも何も成長しない)だったんじゃないかと思うけれど、今でもたまにのぞくと、「あぁこれはよくできているな」と思う話はあって、それがときどきバージョンアップするように語りなおされていく様子には少し感動すら覚えているのだった。

  • 話者が子供のときの話を語る
  • 友達同士が禁を破ってある場所に入る
  • 土着の忌まわしい風習や呪術がある
  • 世代を超えた怨念がその風習を利用した
  • その怨念を込めた呪物に知らずに触れた仲間の一人が発狂・絶命する
  • 事情を知る老人や僧侶の助けで話者は一命をとりとめる
  • しかし話者の精神や生命も危険な状態にある

…と、だいたいこんな感じの話は、もう4本か5本ある気がする。

今日読んだ「**」という話はそれに「呪物に触れ、そのものの漢字で書かれた呼び名を正確に発音して真名を知ると発狂する」というアレンジが加えられていて、これがとてもネットの怪談として効いていると思った。読者は「**」という漢字を目に入れた後、それを頭の中であれこれ発語してみながら読むわけだが、それが終盤「真名を知ると発狂する」という事実を明かされ、イヤーな気分になるのである。「この文章を読んだら死ぬ」たぐいの呪い話は、かなり状況をうまく書かないと説得力はないし、もはや鼻で笑われることが多いと思うけど、「本当に読めたらやばい漢字を読めないまま見せて勝手に読ませる」ことで、間接的に、読者に呪いのボール球を投げつけることができるんだなー、と、感心した。

なぜ**が伏せ字なのかというと、それは本当だったら怖いからです……。

evening

冷たい熱帯魚」を観て帰る。