イップ・マン 葉問
今月4本目。
なんか格闘ゲームよりちゃきちゃき動くサモ・ハン・キンポーが観られたぞ。サイモン・ヤムもまた変な人の役で出てたし、楽しかった。
以下、ストーリーに触れます。
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感想
- テーブルの上の戦いは美しい。バランスを崩しかけた他門の師匠がサッと型でカバーしたり。
- 男は拳で語る、とジャッキー・チェンの映画観て言ってもあまり説得力ないが、この映画の格闘アクションは「拳で語る」だ。
- しかしいくらブルース・リーと関係あるからって、師匠になってしまった後の人をカンフー映画の主役としていきなり観るのはちょっとどうなんだろ(この映画は実際には二部作の後編なのだが、日本ではこちらのほうが先に公開された。前作は首都圏などでは公開されている模様。私は未見で、どういう話なのか全く知らない)。
- 師匠はやんちゃもしないし、修行して成長もしないので、最初から最後まで強さが定数。「イップ・マン 序章」の上映を希望。
- 今カンフー映画を撮るならどうやるんだろ、という興味で観ていたけど、わりと普通にまとまっていた。リアリズム寄りでもないしファンタジー寄りでもない。映像表現がきれいになったぶん、そのあたりがはっきりしない感じが残った。
- 「カンフーやってる人は何をして飯食っているのか問題」にも特別な答えは示されず「師匠になる」「趣味がカンフー」「やくざをやる」の3択。そのあたりの描き方が社会情勢と絡められてたら面白かったんじゃないかなー。
- 「キル・ビル」の五点掌爆心拳みたいな、「偽物なのに超かっこいい」ものを見てしまうと、ファンタジー要素へのハードルが上がってしまう。カンフー映画がファンタジーを入れるなら、過去のカンフー映画のセルフパロディみたいな感じでやんないといかんのじゃないかなー、なんて思った。
- 敵役の顔がグィーンってズームしたりする、「☆のマークの香港映画」みたいな。
- 前作を見てないからというのもあるけど、戦う動機がちょっと薄く感じた。名誉のために汚い白人をぶちのめせ、というのはわかりやすいけど、じゃぁその名誉って何だろ? という。サモ・ハン・キンポーとのやりとりがそのあたりを描いていたってことかな。
- 「ええっ今から蹴り禁止?」というのはちょっと笑った。ボクサーとの試合を引きで撮らないのは、全身が入ると、足を使っている中国武術側のほうがズルく見えてしまうからかな。
- 映画全体でも寄ったショットを多用してあるし、寄ったほうがスピード感が出るのかも。
- 笑えたシーンとしては「では毎月100ドル……」と「ラウンド終わったら中国武術もちゃんとコーナーに座る」ところ。
72点。