コクリコ坂から
内容メモ
感想メモ
未整理のまま。後で書き直すかも。
ジブリアニメの規定項目をかろうじてクリアした感(空飛んだりするアニメが観たいわけではないので、私は別にどうでもいいけど…)。規定演技は以下のようなもの:
- 空から少年が振ってくる
- カルチェ・ラタンの魔窟感
- 自転車で坂道
- 三輪トラックで箱乗りになって坂道
投入された萌えは以下のようなもの:
- 広小路さん(もっさりメガネ)
- 水沼さん(クールメガネ)
こういうのが出てくるたび、ははン、と思いながら観ていた。しかし、これらを「小手先のギミック」として、ないものにしてしまうと、すごくつまらない映画になってるような気もする。
逆にいえば、これからジブリは、こういうふうに「ジブリっぽいもの」を規定演技として盛り込む以外は、好き勝手なものを作っていけば、それで大丈夫なのではないだろうか。いや、今までのジブリ作品とかよく知らないんですけど…。
ひとの感想などを見る。うーん、これがキュンキュンっていうものか…? まぁ恋愛ドラマは話の駆動部分なので、「そうかな」という感じだし、比較的どうでもいい…広小路さんのことは気になりますけど…。若い人が多く観てるからかキャラのことが気になっている感想が多い。
何故、昭和38年という時代がファンタジーとして描かれるのか…という部分を気にしつつ観ていた気がする。飯釜の火を箱入りマッチでつけたりどうだったり、という様々なものを「懐かしい」と受け入れてしまうのは「剣と魔法」って持ち出されただけで鼻息荒くなる中学生と同じではないのかしらね、と意地悪く考えながら。
実際、前半描かれる「懐かしい」風景は、物語の背景にはなっていても、その世界の説明はされない。舞台装置や世界の仕組みを語るようなエピソードがない。たとえば30年後にこのアニメを観たら、細部の脈絡がわからなくなってしまって、もっとファンタジーに見えてそう。
その割に、ストーリーに関わる部分はかなりわかりやすい。冒頭、花の水を替えるシーンで、その花を供える相手が「父親らしい人物の写真」であることまで映してしまう。それをちょっとわからないままにして小さな事件を起こしたほうが、世界の説得力は増すし、面白いと思うんだけど、そうはしないバランスなのだった。
ストーリーに関わる部分でも、世界に対する悩みがなくないか? というのも。「カルチェ・ラタンみたいな教養主義的な価値観は戦前のものなんじゃないの? それが戦争をはさんでどう変化したか、みたいな話は全然されないよね?」でもこれはおそらく意図的に、人物にめんどくさいことを言わせず、ポジティブに作ったのだろうな、と、ラストを見て思った。それは主人公たちが戦後生まれであることが理由なのかも知れない。
エンターテイメントとして72点。でも観た後いろいろ話したくなる、好きな映画。わかりやすい部分はすさまじくわかりやすいけれど、それだけで終わってない。OP/EDの曲の音量はうるさいですけど…。
テーマについて
「君たちが追っている理想なんて茶番だし、古いものを尊ぶことにはいいこともあれば悪いことだってある。それでも君は君の世代を生きる。私は私の世代を生きる。」みたいなことかしらね。
その他追記メモ
- ニコ生のタイムシフトで対談を見た。「3人で撮影」のシーンは、後で付け足されたものだとか…えぇぇ…。あれがあるから(戦争を経験して、戦争が終わっても何も終わらなかった、戦中世代のハードさを突きつけられるから)、最後の台詞がすごくポジティブに聞こえて泣けるんだけども…。
- 水沼くんが「神田のおじのところに寄って帰る」というのは、口実のようであり、その後実際に起きた「神田カルチェ・ラタン闘争」を暗示しているようでもあり。(ようしらんので、暇なとき調べること)
- 水沼くんに萌えてる人多いが大丈夫か。一番早く死にそうなのに…。