SUPER 8

溜まっている感想をざっくり書いていかねば…

story

感想

序盤の人物配置のジュブナイル感がたまらない。車に乗り込んで逃げ出すとき、後部座席で悪ガキがわぁわぁ騒いでいる一方、助手席の主人公がヒロインを意識しながら会話するところとか、「それそれ!」と思って観ていた。

なんだか「アレ」の本体が出てくるに従って、普通のB級SF映画っぽくなっていき、最初にあったマジックが解けてしまった。

未知との遭遇」で、円盤から人々が帰ってくるとき、すごく呆然とした表情をしているのが印象的なんだけど、そういう「なんか得体の知れないものに触れてしまって人間性が変わってしまったかも知れないヤバさ」というのが感じられないのが、本作の後半が微妙に感じられる理由かな。

異星人に触ると心が通じてしまう、というのならば、そうなってしまった人は人格的に取り返しの付かない変化を受けてしまうような後日談があってしかるべきではないかと思う。主人公はエイリアンに触れることなく、ヒロインがコンタクトすることになって、その場は丸くおさまるが、ヒロインはその後新興宗教を開いたり都会で娼婦になったりしてしまうような。「えーこの映画はE.T.スタンド・バイ・ミーです」という感想をよく聞くけど、スタンド・バイ・ミーは友達が死んだり刑務所に入ったりした消息を現在から振り返るから意味があるんじゃないのかね。

加点法なら、B級映画に「あの映画」感が盛ってあるところで80点。減点法なら、83点くらいの映画になった筈なのがグダグダになっちゃった、というところで76点。