マンハッタン

http://ejf.cside.ne.jp/review/manhattan.html

プエルトリコの作者、Andreas Seyfarthによる、94年ドイツ年間ゲーム大賞受賞作。ビル会社のオーナーとなり、都市にビルを建設する。

引いてきたカードに対応する場所に、手持ちの駒でビルを建てていくだけ。ラウンドごとに、そのとき建っているビルの数を集計してポイントにする。

ビルを建てるとき、他のプレイヤーが建てたビルの上に、自分のビルを乗っけることができるのがポイントで、集計は、一番上に乗っている色のプレイヤーが、そのビルのオーナーという数え方をする。

ただし、ビルは、どんどん上に乗せることができるわけでなく、既に建設されているビルのうち、最大を占めている色の階数と同じぶんだけ乗せなければいけない。そして、このビルの駒は最大4階ぶんの高さしかないので、「競争に脱落する」という事態が起こりえる。

たとえば、合計、赤5層、青3層から構成されているビルには、赤や青が積み増しすることはできても、それ以外の色は参入できない(赤と同数5の高さの建物があれば参入できるが、そういう駒はないので)。さらに、ここに赤が3階分先に積み増しすると、赤8青3となり、青も脱落ということになるわけだ。

見た目経営シミュレーションっぽい匂いがしたけど、ぜんぜんそういうことはなかった。むしろ家族向けの競りゲーム(資源管理+競り合い)だと思った。数字を一切使わないのに競りっぽくなっているのがよいと思う。

後記
難点といっていいかわからないが、ルールがシンプルで、かなりあっさりしているように感じた。ビルを置く6都市についてはすべて平等で、置いてあるところと置かれてないところの得点傾斜がない。最初は、どの都市に置いても「ふーん」という感じになるが、この「ふーん」が、けっこう中盤以降も続く印象を持った。結果、建たないところにはいつまでもビルが建たない状況がかなり後半まで続いた。ただ、逆に得点傾斜を設けると(たとえば、その都市の空き地の数を得点に加算するとか)たんなるジレンマゲーになってしまって、ビルの高さが分散するので「にょきにょき」と延びていくカタルシスに欠けるのかも知れない。