どんどん橋、落ちた

『どんどん橋、落ちた』 , 綾辻行人 , 講談社文庫 , ISBN:4062735725

最初の二編を読んで期待したコースからは外れ。「どんどん」つうくらいだから、どんどん縛りが増えていって、最終章でにっちもさっちもいかなくなった作者が発狂していく感じのマゾ本格かと思ったら、そういうことではなかった。

「そうは言ってねぇよ!」と後ろから頭をどつかれるトリックの快感(あるいは脱力感)に怒り出す人多数と思われ、コアな本格ファンは「だから真面目な人や一見さんは読まないほうがいいよ」とフフンと鼻で笑いそうな内容だが、この本のテーマは「いったいどこまでがルールのフレームなのか?」という、はてなダイアリーでのトラブルでもことあるごとに問題になる(あるいは、問題にしてない人が暴れることで顕在化する)ことがらなのである。

ビブリオグラフィを見て思い出したが、ぼくは、この人の関わったプレステのゲーム「黒ノ十三」「YAKATA」両方まだ売らずに持っている。客観的には<ファン>ということになるのだろうか。ちなみに、この本以外では「館」シリーズと「霧越邸」しか読んだことない。