はてなアイデア実装案 - 補足

上…なんか、旗色あきらかな皮肉のように取られそうな書き方ですので、補足。

基本的にポイントというのは、要望を厳選するための縛り(行動制限)であったはずなので、そこから外れる余計なチューニングは控えめなほうがいい、というのが、上の主旨です。

ポイントが譲渡可能だったり、ポイント数上位からソート表示されるようなことになっていて、ポイント自身に何か量的な価値があるようになってるけど、それは些末な問題である<べき>。というか、胴元である「はてな」の都合によってそうなってるだけなので、そこに働きかけても、胴元の都合のいいようにしか回してくれないと思います。

仮説 - ポイントの意味(都合)

なぜ「ポイント」制になっているか、というそもそものところを、従来のトラックバックやキーワード言及による要望と比較して考えてみます。(以下、毎度自分の想像)

?I導入以前は、トラックバックやキーワード言及による要望の数が増えて、どれを先にやったほうがいいのか、どの要望がどれくらい重視されているのか、運営側ではわからない状態でした。

そのあたりを、ユーザー側でちょっと整理して、優先順位をつけてまとめてみてくれないか、という発想が、ポイント(ユーザのリソースが有限)という仕組みの中にあるわけです。

だから本来、ポイントという形をとっていますが、これは「量」ではなく、ユーザの要望数を絞るための縛りになってないといけない。要望間で軽重があるので、アナログな重み付けが可能になってますが、基本はユーザの自由度だと解釈しています。

倍率とポイントの譲渡

で、目的を「ユーザの行動の制限」に絞るなら、全員に等しく「要望は20口まで」とかいうシンプルな仕組みを決めて、それで終了でいいと思うんですが、実際にはこれに「倍率」と「譲渡」というルールが加わっている。これについて(脳内仮説に基づき)説明します。

ポイントに倍率がかかって、人によって増減するというのは、基本的に平等であるべきユーザの要望権に傾斜が出てくるわけで、そもそも変なんですね。

ここには「はてなの仕様をわかっているヘビーユーザにポイントを多めに与えて、沢山提案(仕事)をしてもらおう」という、胴元(はてな)の考えが入っています。ヘビーユーザなら、実装可能性の高い要望をよく知っているし、結果として、ポイントも沢山持てるようになるので。

id:DocSeriさんが指摘されてることですが、のっかりが増えると倍率が上がったりしていて、これをギャンブルみたいなものだと思うと、変です*1。が、胴元の意図は、要望を平均化することにはない…その逆に、傾斜をつけることなので、これはこれでおかしくはないと思います。

また、行きがかり上ポイントの譲渡が可能になっていますが、これも、アクティブユーザにポイントを動かしたりすることで「わかってる」ユーザに活動して貰おうという意図のあらわれと、解釈できます。

ここまでのまとめ

  • 胴元(はてな)は、ユーザの要望を絞って見たい、それだけ
  • 実装1)ポイント制で行動を制限する
  • 実装2)ポイントに量的傾斜を設けることで、ヘビーユーザに仕事をしてもらう

なので、以下のようなことが言えると思います

  • 持ちポイントは平等に見えるが、一見さんお断り。
  • よって、わけのわかんないユーザのわけのわかんない要望は、スルーされがちであり、それほど問題ではない。
    • 確かに、多重ID*2によってポイントを集めて、見た目ヘビーユーザ的に動けてしまう、という点には問題があるのですが、いまのところ実害はないし、後で書きますが、他の実装の可能性を考えてもいいと思います

ユーザを疲弊させて要望を絞る

胴元(はてな)としては、とにかく要望が整理されて「どれが重要なの?」ということがわかればいい。ユーザの要望に制限を被せれば、ユーザが自ら要望に優先順をつけるだろうし、高ベットの要望がソートされて上に来る、という仕様も理解できる。

基本的にユーザが疲弊する仕組みになってる…といったら言い過ぎでしょうか。

実際、そうやって頑張ってるユーザのわきから、「はてなを閉鎖してください」みたいな意図のわからない要望が出てくると、疲れてるユーザとしてはムカッとくるわけですね。

で、身も蓋もないことを言うと、胴元としては、そういう風に若干荒れて、ユーザが無駄にポイントを消費したほうが、ほんとうにユーザが重視する要望が見えやすくなるわけで、これはある程度結構なことなわけです。

陰謀論を書いてるつもりはありません。そういう意図がなくても、結果としてそういう方向を指し示している、ということを言いたい。そして、「はてな」の運営側に必要以上に人間性を期待する向きには、そんなん期待しても疲れますよ、ということを、ひとこと申し添えておきたい(別にこれまでも「はてな」がそういうあたたかさで動いてきてるとは思わない。ただある程度誠実で、手が速いだけでしょう)。

他の実装はないのか

書きながら疲れてきたので残り簡単にまとめます。

「ユーザの要望を厳選する」という要件に対して、ポイントで行動を絞って、パワーユーザを優遇するというやりかたが、現在取られている。

でも、やりかたは他にもあるわけです。「要望のくっつき」というのがありますが、僕個人としては、このあたりの機能をもっと拡充していく、というのも、ユーザを疲れさずに要望をまとめる、一つのやり方ではないか、と思います。

勝手に要望をくっつけてしまうのではなく、ユーザ同士が、質問を見て「これとあれは似ている」と、ユーザ側で判断して、合意のもとにリンクしあったり(くっつくには双方の合意が必要、など)、関連要望を示したり、できたほうがいい。

今の仕様は、基本的に、胴元(はてな)とユーザの1-1のギャンブルみたいなもので、「のっかり」という、人を利用する仕組みはありますが、ユーザ同士の意志疎通は分断されてるわけです。そういうことをすると絶対紛糾する、という、胴元(はてな)の判断なんでしょうが。

でもやはり、ユーザ同士が、どういう形でか、要望をとりまとめることで、要望が厳選されていく、というほうが、上に書いた状況に比べて多少は健康的なんじゃないかと思います。

*1:なんかどうも…このギャンブル性みたいなところが強調されて「不当にのっかりでポイントゲットしてるのはアンフェアだ!」みたいなアイデアもあがっています。しかし、そもそもそこにフェアさは要求されてないと言える→see. http://i.hatena.ne.jp/idea/1181。ポイントを「不当」に得ることで何かユーザに実害が起きれば対策を立てるべきだけど、ユーザが心配することじゃないと思う。人は人っていうか。もし「不当」にゲットした大量のポイントを使ったアホな要望が通ったら、それは運営者がアホだった、それだけの話じゃないんですかね

*2:ところで、これって、つねにどこでも言える問題提起じゃないんですかね。多くのボードゲームのルールに「盤をひっくりがえしてはいけない」みたいなことは書いてありません。確かにひっくり返されたら困るんですけど、それはゲームのルールに書くことではないでしょう