日記の生き方
下の「メモ」に書いた考えに基づいてパフォーマンスをはじめるともうやめるわこんなサービス、はいはいさよなら、あ、ね、ほんとにやめちゃうよ? ほんとにほんとにいいの? ね、オレがいなくなってもみんな頑張ってね? と誰も気にしてないのに退会プレイを始めてしまう自分を想像して、彼はまた気分が悪くなった。
それでもいいかな、と思ったが、その可能性は別の自分がどこかで選択していることだろう、と考えることにした。ここにいる自分は残った何かで何かをなしたい自分だ。そのことは嘘ではない。
それに、書いているこの「わたし」は、この日記サービスに対して直接利害関係があるわけではない。何を書いても死にはしない。だから「わたし」は、どのようにしてか形を変えて、彼の日記を生きながらえさせることができるだろう。
年の初めからつけている手帳を見た。とてもくだらないことを書いていた。書きためて有意義なものが生まれるかも知れないと思って、8割がた書き潰したが、ひょっとしてこれは全部ゴミではないのか。ためしにそれら最初の数ページに、「君はもう僕ではないんだ」とお別れを言って、想像の中で破って捨てた。それはそれで寂しかった。