「SBS=ミニブログ」という視点から見えてくる、ブクマに足りないもの

承前

何かに関心を持って、ちょっと検索してみて、興味を惹いた記事、あとでゆっくり読もうと思ったものを、ブックマークする。

私がブックマークしようとすると、ときどき、「このエントリはすでにブックマークされています」と、出て来る。昔自分がブックマークしたものを、もう一度ブックマークしようとしたらしい。

これは、私の物忘れがひどい、という話かしら。でも、そういう細かいことを忘れるために、ソーシャルブックマーク(以下SBS)を使っているはずなので、私は悪くないはずだ。

「SBSはミニブログなんです!」「なるほどー」

ここに、SBSが「ミニブログ」である、という視点から、補助線を引く。その日考えたこと、目にとまったものをブックマークしていくわけだから、ミニブログと言ってしまっても問題なさそうに思える。(see.google: ミニブログ ソーシャルブックマーク

すると、さきほどの二重ブクマ問題は、私の物忘れを云々する話ではないような気がしてくる。ブックマーク側の仕様が不十分なだけではないのだろうか。

具体的には、こういうことだ。

ミニブログなのに、なんで一つのURIに対するクリップが、一回しか出来ないんだ? 過去にブックマークしてようがなんだろうが、今おれが興味を持ったってことを控えておきたいのに。

ブックマークというのはURIに1:1で結びついていることになっているけど、私が書き留めたいのは、URIではなく「自分の関心」なのだ。「関心」は、私の中に繰り返し表れる。つまり、「関心」とURIは1:Nの関係にある。

はてブの辺境に息づく「関心」

さて:

という謎エントリを、以前書いた。

このエントリのブックマークで b:id:hejihogu さんに:

「私たちがブックマークする瞬間に感じる不便さや強制力」って何なのだろう?

とコメントいただいてるので、「関心」につなげて、少し説明する。

「問1」として紹介したのは、どれも、特定のユーザが使っているタグだ(mindさんnobodyさんzoniaさん、勝手につかまえてすみません…)。

ここでは特に、2つめ3つめに挙げたタグについて。

これは、分類のためのものじゃなくて、複数のURIをひとつにバインドする「関心」のマーカーなのだ、というのが、私の用意した答えだ。

分類するだけなら、タグとして、大雑把に思いつく単語を書いていくだけでよい。

でも、それでは不便な感じがする。

私は、今読んでいるものを分類したいのではなく、直近の私の「関心」の下に、リソースをぶら下げたいのだ。

関心とは何か

なぜ、分類ではなく「関心」なのか。

タグで分類してしまったものは、昨日のものであっても、検索されることが前提になってしまう。それはちょっと直感的ではない。

これが理解できない人には比喩を一つ。

あなた、今日買ってきた本を、いきなり整理された本棚や書庫に入れますか。その本棚のインデクスがどれだけ優秀でも、普通はどさっと机の上に置くのでは?

この机が「関心」に相当する(あまりよい喩えではないけど)。「関心」というくくりで、いくつかのURLを束ねていれば、なんとなくでも、時系列で覚えていられるような気がする。

「関心」を表現するためにヘンなタグが使われる

さっきのオリジナルタグに話を戻す。

「関心」という概念は、SBSにはまだない。これをなんとか、タグで代用できないだろうか?…と、考えはじめる。

あ、そうか、タグってどういう言葉を使っても怒られたりはしないのだから、ある「関心」のトピックに、任意の文字列を割り当ててもいいのでは?…と、なる。

というよりも、この「関心」は、私固有のものだから、人の「関心」をあらわすことばと、衝突するのは困る。だから、人と被らない、誰も使いそうにない言葉で、オリジナルのタグを振ろうとするのだ。

…あれ、SBSってフォークソノミーがどうたらこうたら言って始まったんじゃなかったっけ?

余談

ここから話を膨らませて「ネガコメの起源」とか妄想することもできると思うけど、それはまたいつか。

はてブに望む…ではないけれど

はてブ」的なインターフェイスをすこし捻って、複数のURLを1つの「関心」にバインドできるようなものってないのかなぁ…と、私はここのところ、ぼんやり思っている。

以下、はてブに「関心」=複数URIを1レコードにバインドできる機能が、実装されたらどうなるか、という空想を書こう。

「関心」として作られていくのは、結局リンク集なわけで、URIの選択のセンスが問われる*1。今までコメントでちょっといいこと言うのに使っていたエネルギーが、「関心」の編集で燃焼されるようになる…かも知れない。

人気エントリなどの集計も、「関心」ベースにしてしまえば、ネガティブなブックマークや、「**する10の方法」「デジカメ写真術」といった小ネタが、表に出てくることは少なくなる。そういうものの多くは、継続的な意志でクリップされるものではないから。

(継続的な関心で特定のサイトをクリップしたものは人気集計に上がるが、それは所謂、ホンモノの人なので、対処がしやすい)

まとめ

追記:あと

  • 生成の現場を無視した「はてブ」語りって、読んでて全然面白くないよね。

*1:そういうところで、スターを貰ったとかモチベーションがどうとかいう、雅な勝負をしたい人にもおすすめだ