思い出しメモ

その街のこども

去年たまたまテレビでリアルタイムの放送を観る機会があって、その映画版の感想を先日「シネマハスラー」のPodcastで聴いたのだけど、聴いてるだけでなんか涙腺が緩んできた。通勤中に。朝のことでずいぶん寒かったし、乗せられやすいだけかも知れない。

しかし聴いていて、あの映像が頭に呼び覚まされる、というより、確かな実在を持ったなにかの記憶として再生された気もした。サトエリ演じる「ミカ」についての話をヘッドホンで聞きながら、「あ、大村さんね」と、役名の苗字をなぜか覚えている自分がいた(森山未來の役名は全く覚えていませんが……)。

ひょっとしてそれは作り手が意図したことで、キャスティング(主役の二人はどちらも震災経験者*1とのこと)、台詞はこび、1/17当日の式典の映像をつないで1/17に放送するという離れ業、などを駆使して虚実の曖昧なドラマを作ることで、観た人に、記憶としてとどめてほしかったのかも知れない。あの灯りのついたおじさんのマンションは、たしかにどこかに「ある」気がする。

*1:経験者、体験者、なんていう言い方が適切かどうかはさておき……