『これで古典がよくわかる』

これで古典がよくわかる (ちくま文庫) 『これで古典がよくわかる』,橋本治,ISBN:4480036903
高校の時こういう本に出会っていたら、などというのは本をほめるときの言葉として禁句だと思うが、この本は本当にそう思わせてくれるほどわかりやすい。あるいは、わかったような気になる。1時間程度で読める。

「なぜ古文はわかりにくいのか」ということが、仮名文と書き下し文の成立と融合の歴史のなかでまとめられている。結論としては「とりあえず注釈とばして冒頭は暗唱だろ」という斉藤孝みたいなことになっているが、そこに至るまでの過程が…あれ、でも暗唱することそのものの意味についてはあまり触れてなかったなぁ。結局「おれの言うことは信用できるでしょ? じゃぁやってみてよ」みたいなことなのか。にしてもよい先生だとは思う。

追記:ここでぼくが言っている「わかる」というのはもちろん、全貌がわかって教養がつく、という意味ではなくって、どこからのぼっていいかわからない絶壁のそばで、ちょっとその入り口をのぼって「わかる」体験ができる、ということですので念のため…。